本陣痛

夜になってもまた痛みが来ると思うと全く眠れず。後から思うとこの時に無理にでも寝ておくべきだったのだけど。
やっぱり、夜中の2時くらいに同じような痛みが始まった。まあ、また前駆陣痛かもしれないし…と思いつつ記録をつけていった。でも、今度のは確実に間隔が短くなってる気がする。痛みもだんだん強くなってきてる。1時間に4回だったのが、5回になり6回になり…6回ということは10分おき。だから病院に連絡しようかとも思ったのだけど、次の1時間には2回しか来なかったりですごく不規則。母に相談しても「まだ連絡するのは早い」と言うのでそのまま様子をみた。
痛みの間は横になってることができず、座ってじぃっと治まるのを待った。次に痛くなるのを待つ間も怖くて緊張したまま。本には「陣痛と陣痛の間はリラックスして」とあるけど、無理です。いろんな陣痛逃しのポーズも順番に試してみたけど、なんとなく良いような気がするのは1〜2回までで、気休めにしかならなかった。
今度は朝になっても痛みは消えず、いよいよ本陣痛かと覚悟を決める。痛みの合間に朝ご飯を食べ、本を眺めてお産の流れを復習したりした。

朝9時、どうにも不安で一度病院に電話。痛みの程度を伝えるのに困ったけど、「さすって和らげてます」とか言った気がする。「さすって治まるようならまだ時間がかかると思うので家で様子をみてください」と言われた。全く、この時の痛みはまだまだ序の口だったと今なら分かる。
そのままお昼までお腹をさすりながら我慢し、お昼すぎに2回目の電話をした。今度は「じっとしていられない痛み」と言った気がする。今度も、「痛みが10分おきより長くなるようならまだまだですので様子を見てください」と。この頃は7分〜15分おきって感じだったのだけど、全ての痛みが10分以内に起こるようでないと入院はさせてもらえないらしい。それならそうパンフレットに書いておいてよー！と思った。「10分おきor1時間に6回になったら連絡」とあるから電話してるのに。でも、本陣痛が来てるのは間違いないと思うし、とにかく安心したかったので夫に連絡し赴任先から来てもらうことにした。土曜日で助かった。このままいくと週末にお産で料金割増になるかなーとも思ったけれど。

午後3時、義両親が挨拶に来る。玄関先まで這うようにして行って、顔だけは見せたけど愛想笑いする余裕もなかった。部屋は暖房効いてるけど、廊下とか冷え切ってるので子宮の収縮もきつくなり、痛みが一気に強くなる。「なるようになるから頑張って」との義母の言葉。

午後6時、夫到着。もう、部屋の入り口から流れてくる冷気にもひどく敏感になってて、来てくれたのは嬉しいけど「はやく戸閉めて〜！」とわめく。そして間違いなく10分以内になったので病院に電話。今度こそ大丈夫だろうと思ったのに「初産は時間がかかるのでもうしばらく様子みていてください」と。まじかよ〜こんなに痛いのに（涙）かなり辛いことを訴えると、「ではもう2時間くらいしたらもう1度電話してください」と。どうしても心配なら1度来てもらってもいいんですけど…とも言われたのだけど、そう言われると「もすこし様子みてみます」と言いたくなり。家が病院から近いせいで、ギリギリまで大丈夫という判断をされたみたいだ。

夕食は部屋に運んでもらったけど数口しか食べられず、痛みはますます強くなる。腰をさすってもらうと少しは楽になるけどやっぱり痛い。夜9時、5〜6分間隔になったので断固入院してやると思い病院に電話。死にそうな声で訴えてみた。土曜の夜だから人手が少なくあまり来て欲しくないのか？と思うような対応だったけど、不安を感じ取ってもらえたらしくとうとう「では入院の準備をしていらしてください」と言ってもらえた。
夫と母に付き添ってもらい、病院へ。近いのもあり道中痛みは起きなかった。駐車場から通用口へも問題なく歩けた。

夜間受付で手続きをし、病棟へ案内してもらった。係の男性は非常に気を遣ってくれ、振り返りつつゆっくり歩いてくれた。でも、なんでか到着してからあまり痛くならない…。産科で受け付けを済ませ、ボストンバッグに入ったお産セットを受け取った。で、内診の結果子宮口1cm。続いて本当に陣痛来てるかどうかを確認するためにNST。ドアの奥の陣痛室へ案内された。付き添いは廊下で待機。
陣痛室は相部屋で、妊婦さんが１人痛みと戦っておられた。それがまた苦しそうで…声を聞いてるだけで緊張する。私はベッドに横になり、お腹に胎児監視装置を付けられる。陣痛来たらグラフの針がびびっと山形に動く。んだけど、なんでかやっぱり痛くならない。一応痛みは来るけどだいぶ軽めので、家にいたときのとは比べものにならない。病院内は暖かいから、陣痛が遠のいてしまったのかもしれない！こんなんじゃ、きっと家に帰されてしまう…帰ったらまたあの痛みが復活するに違いないのに。でも付いてくれた助産師さんはとても親切で、「ちょうど10分間隔で来てますね。家に帰っても不安でしょうから、入院してください」と言ってもらえた！一安心。
部屋は迷った末個室にしてもらった。もう夜だったから1日分の差額がもったいなかったけど、後から思うと個室にして本当に良かった。ここから先が長かったし、面会時間関係なく親に来てもらえたから。
病室に入ってもどうにも落ち着かない。痛みは繰り返し来るし、眠れそうもない。今晩中に産まれることはなさそうだし、母と夫には明日に備えて帰ってもらった。
１人でベッドに座り、お腹をさすってふーっふーっ言いながら陣痛に耐えた。この頃はまだそれでなんとかしのげた。3時間おきくらいに助産師さんが来て、胎児監視装置で観察された。そのたびに「赤ちゃんは元気ですねぇ」と言ってもらえたのが救い。観察中は動けずに痛みに耐えないといけないから辛かったけど。たまに、痛くて動いた拍子にパッドがずれて、拾ってるのが胎児の心拍から私の心拍に変わってしまったり。そしたらすぐにスタッフルームから飛んできてパッドを直してくれた。

明け方4時くらいの観察では、4分おきに交互に大きい波と小さい波が来てるのがわかった。この小さい波が大きくなるといいですねぇと助産師さん。へえ、こんなふうに間隔が短くなるとは思わなかった。確かにそのときの痛みには2種類あって、生理痛のひどいやつと、腰〜お尻が痛いやつと。尻のほうが経験ないぶん辛かったです。

「少しでも眠っておいてね」としょっちゅう言われるんだけど、無理な話です。この日眠れたのは午前中陣痛が和らいだ1時間ほどだけだった。