カナダキャスト

The Phantom Of The Opera: Original Canadian Cast

The Phantom Of The Opera: Original Canadian Cast

ファントム:コルム・ウィルキンソン
クリスティーヌ:レベッカ・ケイン
ラウル:バイロン・ニース

カナダの舞台版キャスト。これはなかなか面白かった。ロンドンや映画とかなり違い、演技の個性が強く舞台のライブ録音聴いてるみたい。冒頭のオークショナーにまず驚かされた。シャンデリア上昇前の「ジェントルメン!」ってセリフ、「じぇーんとぉーーーるメェェェェェェン!!」(上り調子で)そのほか「シンクオブミー」のキーは高くカデンツァもオリジナル。歌詞もテンポもちょこちょこ違う。ジャケットが黒地に仮面ではなく白地に舞台写真、という時点で「ウチはちょっと違いますよ」と主張してますね。
全体的に渋いので、映画みたいな華やかさを期待するとがっかりするかも。年齢設定高めで聞くとよいです。ファントムは原作寄りの枯れたおじさん、クリスチーヌは20歳すぎ?20代で天使を信じてたらやばいか。とにかく、演技が熟してます。特にファントムの哀愁に満ちた泣きの演技、怒りの演技は素晴らしい。
ラウルが割と好みでした。ただの優しいテノールではなく朗々と歌い上げる声で。でもラウル役って難しいんだろうなー、というのは、「オールアイアスクオブユー」を天使のように甘く歌い、その他のシーンではファントムと張り合う強い声で演技できる人はあまりいない。映画のパトリックが一番好きだけれど映像で得してる部分もありそうです。カナダのラウルが次点。
ハイライト版には珍しく、オークション・ハンニバル・Notes・アントラクトが入ってます。でも何故「エンジェルオブミュージック」を入れてくれなかったんだ!それだけが惜しいけれど、とても完成度の高い1枚だと思います。CDに入ってる部分の歌詞カードとモノクロ舞台写真つき。