シルヴィ・ギエム 最後の「ボレロ」 感想1

プログラムA'
ギリシャの踊り』東京バレエ団
『Two』シルヴィ・ギエム
ドン・ジョヴァンニ東京バレエ団
ボレロシルヴィ・ギエム

席は普段オケピのある場所、前から5列目の下手寄り。ステージを見上げる感じでした。ボレロの「赤いステージ」の赤が見えないくらいの見上げ具合。少々首が疲れた。オケピの場所は傾斜がついてないので前の人の頭が邪魔。ステージ全体は見づらいけど、ダンサーの表情はばっちり堪能できました!

ギリシャの踊り

女性は白のシンプルなレオタード・男性は上半身裸。背景もなし。裸足で床を踏みしめて、波のうねりを表現するオープニング。ゆっくりした動作で、バランスとるのに大変そうな人もいたけど、レッスン帰りだった自分は「がんばれ!そこでキープだ!」と応援してしまった。さすがにプロだから目立ってぐらつく人はいなかった。
バリエーション入ってからはトウシューズでバレエらしい踊り。背景が真っ黒なので手足の動きが際立ってみえる。音響のせいもあるのか、あまり足音は聞こえなかった。
目の前で踊るソリストさんの顔、どこかで見たなぁと思ったら、「クロワゼ」の表紙を飾っておられた小出領子さんでした。丸顔に愛嬌たっぷりの笑顔が素敵!踊りも、表情も優しげで、パドドゥも幸せそうに見つめあって踊ってて、本当の恋人どうしに見えた。
次のソリストは、名前だけは知ってた上野水香さん。すっごい小顔!「日本人離れしてる」と言われるのに納得です。でも表情がずっと固いのがもったいないと思う。なんか、冷たい印象に見えてしまう。
ソロは大嶋正樹さん。すごかった。途中から汗だらだらでしたが、最後まで力強い踊りに客席からわぁーっと拍手。コールドと並んで同じ踊りをしてても、彼の動きだけひと回り大きいんですよね。表情も「若者!」てかんじの良い笑顔で。前列だとどうしても顔ばかり見てしまう。踊りをちゃんと踊るのは当たり前だけど、表情の演技も思った以上にきめ細かくされてるのに驚いたのです。これがプロなのね。
ラストはオープニングと同じ波の音で静かに終わり。(また裸足になってたけどいつ脱いだんだろ?)どのへんが「ギリシャ」か私には分からなかった。

Two

暗闇の中、黄金色のスポットライトの中でギエムの手足が生き物のように動く。顔が一瞬ライトで見えたときは「おおっ本物だー」と思った。だんだんスポットの数が増え、闇と光の間を行き来する手足。2m四方の中で踊ってるとは見えなかった。
照明効果なのは分かってるんだけど、手の先に金色の光が宿ったように見える。ペンライトか何か持ってるみたいな。そして手の残像が見える!千手観音を生で見ているような… 目がおかしくなったのかと思うくらい。最後なんかストップモーションで手が360°連続してるように見えた。布をひら〜となびかせたような残像。1本の腕のなせる技とは。すごいです。興奮。
数分で終わってしまって、もっと見たかった。照明がついたら赤毛のショートヘアのウィッグをつけた笑顔のギエムが立ってた。長髪のほうが好きだなー。