生後4日

私が入院した病院は「赤ちゃんにやさしい病院」の認定を受けている。そりゃ素晴らしい〜と思い決めたのだけど、「赤ちゃんにやさしい病院」=「お母さんに厳しい病院」であることに気づいたのは妊娠後期だった。産まれたら即同室、お母さんは身体を休めるヒマなどない。一に母乳二に母乳、とにかく母乳あるのみ。よっぽどでないとミルクは足してもらえないみたい。
臨月に入った頃から少しずつマッサージし、ほんの少し母乳が出るようになっていたので、まあ心配あるまいとたかをくくっていた。痛いと評判の助産師さんによるマッサージも平気だったし。でも、だからって授乳がうまくいくとは限らない。
私も飲ませるのが下手、赤ちゃんも飲むのが下手。なかなか口を開けてくれないし、口が開いてもうまくくわえさせられない。「口唇追いかけ反射」っていうのか、頬にさわるものを勝手に口が追いかけるので、反対の頬に服なんかが触ると顔が勝手にそっちを向いてしまい、「飲みたいのに飲めない、ギャー」といって泣く。そのうち顔を左右に振り出したのでイヤイヤしてるのかと思ったら、おっぱいを一生懸命探してるらしい。教わらなくてもそういうことができるんだ、と感心した。で、やっと飲み始めたと思ったらすぐ寝てしまう。そして1回授乳が済んだ、やれやれと思ったらまもなく次の授乳時間が来る。

そんなこんなで、時間かけてるわりにあんまり飲めていなかったらしい。生後4日め、とうとう赤ちゃんの体重が1割減り、助産師さんがミルク追加を決めた。残念だけど仕方ない。
授乳のあとミルクを少しだけ飲ませてもらった。ほ乳瓶でなく小さなカップを使うんで驚いた。下手にほ乳瓶使うと乳頭混乱を起こすというので。口にカップをあて、舌の上にミルクを乗せてやると上手に飲むもんだ。赤ちゃんて意外にいろんな能力持ってる。

ミルクのおかげか、この日はあまり泣かずよく寝てくれた。今までお腹空いて泣いてたのかぁ。理由分かってうれしいようながっかりしたような。ミルクは母乳に比べて腹持ちがいいってあとから知った。

この日は退院診察を受けて、翌日の退院が決まった。お昼ご飯は待望のお祝い膳。豪華でボリュームあって美味しかった。調理師さんが腕を振るって病院食とは別に1食だけ作ってくれてるみたい、素晴らしい。赤ちゃんがいつ泣くかハラハラしながらで、落ち着かなかったけれど。
陣痛室からお世話してくれてた看護学生さんは今日まで。本職の助産師さんは3交替で変わるけど、学生さんは毎日来てくれるからいろんな話できて楽しかった。質問にもしっかり答えてくれるし、心強かった。実習協力OKして本当良かったと思う。