大序曲1812年

眠り3幕のアポテオーズは、チャイコフスキーがロシアへの愛国心を込めて作曲したもので、軽くフランスをおちょくってあるのだと曲解説に書いてあります。似たようなのが大序曲1812年、ナポレオン軍に勝利したロシア帝国をたたえる曲で、フランス国歌ロシア国歌のメロディがちりばめられラストは大砲と鐘の音でやかましく終わります。吹奏楽だと大砲はバスドラム、鐘はチャイム。手元にベルリンフィルのCDが2つあったので聴いてみました。

  • カラヤン指揮、多分古い録音。冒頭はうつくしいコーラスです。演奏はドラマチックで昔は気に入って聴いてたけど、今聴くと荒削りなかんじ。テンポ速い。大砲は空砲。

チャイコフスキー:交響曲第5番

チャイコフスキー:交響曲第5番

  • セイジオザワ指揮。コーラスはなし。日本人ぽいなぁという丁寧さ。年代も違うのかもしれないけど同じオケと思えない。ゆったりと重々しくきっちりと。盛り上がりには欠けます、大砲が出るまでは。大砲…いや、花火。空砲が「ドゴォーン」ならこっちは「ブッボォーーーン……ドゴォ〜〜ン…パパラッ」そして鐘の音。どこの由緒正しい鐘を使ったのか知らないけど、ガゴガゴゴゲガガガゲゴガゴ…「ガランゴロン」とかいうんじゃないのです。鉄くず処理場と花火大会の競演、そしてオケの狭間に聞こえる巨匠のうなり声。「○○××〜」(聞き取れない)背筋がゾワッとします。むかしのアイドルのレコードに変な声が入ってた〜とかいうアレを思い出します。楽しいのでちょっとおすすめ。