モーツァルトのコンサート

オケメンバーによる弦楽コンサート行きました。こういう地味なコンサートってあまり人気ないんですよね。チケットがまわってくるので、極力行くようにしてます。
仕事で遅れて3曲目くらいから聴いた。生誕250年でモーツァルトの曲がほとんど。何も考えず音楽を楽しめばいいのに、「おっ、今の譜面めくりスピードは神業だ!」とか「なにゆえ私はモーツァルトがいまいち好きじゃないのか」とか考えている自分がちょっと嫌になる。嫌いではないんだけど、特別好きではないです。練習曲のように誤魔化しがきかないからか、人間くささを感じないせいか。天才なりに苦労した時代もあるらしいけど、曲にあんまし苦労が滲み出てない気がするです。


ソリストが順番にモーツァルトを演奏してました。一人だけ、チェロ奏者がバッハの「無伴奏チェロ」を演奏。「モーツァルトはチェロが嫌いだったらしく、チェロの曲を1曲も書いてくれなかったんです」南無〜。無伴奏チェロは好きな曲ですが、はじめて生演奏を聴きました。おもしろかった。無伴奏というだけあって、広いステージの真ん中で、たった一人で演奏。伴奏がないなんてさぞかし気持ちよく弾けるだろう、と思ったら大間違いで、わずかなミスも許されない厳しい曲だった。ミスどころか音がすこし弛んだだけでモロにつたわってくる。己の世界に陶酔して、聴いてる人を引き込む力量のあるソリストなら大感動しただろうけど、「あ、あまり自信なく弾いてるのかも…」と思わせてしまう演奏で少し残念。たった一人で、孤独やなーって。
・・・とまあ、何かを感じさせてくれる曲のほうが好きなんです、私は。
後で出てきたフルート奏者も、「モーツァルトはフルートが嫌いだったらしく、フルートの曲を少ししか書いてくれなかったんです」と言ってたし、*1クラリネットが嫌いだったのでクラリネットの曲を少ししか(略」というのも聞いたことあるし、天才は我がままだったのかな。


最近の演奏家は、演奏前におしゃべりをしなければならない事が増えたそうで。そういうコンサート、確かに増えてますね。慣れないおしゃべりで何が言いたいんだかわからず演奏突入、というのが多いですが、あれ大変なんだそうです。しゃべる時に使う脳みそと、演奏で使う脳みその部分が違うから、とっさに切り替えがきかないんだって。指揮者・作曲家とかはしゃべりも上手だけど、仕事柄かな。

*1:木製のフルートでやわらかい音でしたー